東京高等裁判所 昭和32年(ネ)2567号 判決
被控訴人は、仮に東川和生が支配人でないとしても、同人は商法第四十二条第一項に定める表見支配人に該当するから、そのなした本件売買取引については本人である控訴人にその責任がある旨主張するけれども、右法条による表見支配人であつても、その権限あるものとみなされる代理権の範囲は当該支店の営業の範囲内に限られるものでその支店の営業の範囲を超えて無制限広汎な一般的代理権を有するものとみなされるものではないと解すべきところ、本件においては前示のとおり控訴人の東京営業所の営業自体が控訴会社製品の販売をなすことに限定されているのであるから、その範囲を超える本件売買取引については、たとえ東川和生を同営業所における表見支配人とみた場合でも、なお代理権を有するものとみなす余地はないのでこの点に関する被控訴人の主張に採用できない。
(川喜多 小沢 位野木)